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Tel 0749-26-2528ORTHOPEDICS
fracture
最近の骨折は、室内で起こることが多く、そのほとんどはトイ種に起こります。
低い位置で抱いていたのに、落としただけで骨折してしまうことがあります。
骨折には、治療方法がいくつかあり、その骨折のタイプや動物の年齢、性格などにより手術方法が選択されます。
トイ種の橈・尺骨骨折の多くは、十分な安定性を必要とするためプレートにて固定することが多いです。
固定後、だいたい、1か月後、2か月後で2回に分けてスクリューおよびプレートを除去をすることにより、再骨折のリスクを少なくするようにしております。
治療前
治療前
治療前
治療前
治療前
治療前
若齢の動物の場合、強固に固定をしすぎると成長が抑えられることがあるため、ピンとワイヤーを用いて固定することもあります。
脛骨(すねの骨)のラセン骨折ですが、なんとかギプス固定で治療を希望されたため、経過をみていましたが、なかなかうまく治らないため内固定の治療に変更することになりました。
年齢的にもかなり若く小さい猫であったため、プレート固定よりもピンとワイヤーでの固定で治療することにしました。
治療前
治療前
ピンのみで固定する場所には限りがありますが、骨が細い手足の指の骨にはピン(正確にはキルシュナーワイヤー)による固定をします。
第2~4中足骨の骨折
整復後
0.9~1.1㎜の細さのワイヤーを骨の中に通して固定しています。
下顎の先端に近い矢印の部分が骨折しています。
あごの骨は、場所にもよりますが、プレートやワイヤー固定が無理なので、創外固定という方法で整復を行います。
補助的にワイヤ-固定をしながら、ピンをあごの骨に貫通させ、そのピン同士を金属の装具で固定します。
1か月後に骨が再生しているのを確認して創外固定器具は外し、ワイヤーもさらに1か月後に外して完治となります。
Medial patellar dislocation in dogs
犬(特に小型犬)の関節に関わる病気の中で、多く見られる疾患であり、滑車溝から膝蓋骨(膝のお皿)が内側へ外れることを言います。(大型犬では外側にはずれる「外方脱臼」が多い)
好発犬種:ヨーキー、ポメラニアン、トイ・プードル、チワワ、パピヨン、柴犬など
・先天性:出生時からの膝関節周囲の骨・筋肉に形成不全があり、加齢とともに進行
・後天性:滑ったり、ジャンプしたりした際の膝関節への負担による外傷性や、栄養障害による骨の変形好発犬種:ヨーキー、ポメラニアン、トイ・プードル、チワワ、パピヨン、柴犬など
無症状~歩行困難まで様々で、はずれ初めは痛がっていても、慣れてくると痛みはほとんどなく、はずれても膝を曲げ伸ばしして膝蓋骨を正常な位置に戻す犬もいます。
しかし、痛みはなくても膝蓋骨が内側に引っ張られることにより、筋肉・骨の変形は進行し、跛行や関節炎は進行する可能性があり、それらはグレードⅠ~Ⅳに分類されます。
・グレードⅠ:膝蓋骨を指で押せばはずれるが、すぐに正常な位置に戻る
・グレードⅡ:ときどき脱臼するが、足を曲げ伸ばしすると正常な位置に戻る
・グレードⅢ:膝蓋骨は常にはずれており、指で整復できるがすぐに脱臼する
・グレードⅣ:膝蓋骨は常にずれており、指で整復できない
触診で診断可能ですが、状態をしっかり把握するためにはレントゲン検査が必要です。
発症・進行を防ぐため、床に敷物をする・足裏の毛を刈る等、滑りにくい環境を整える事により、膝関節への負担をかけないようにします。
内科治療は痛み止め・関節サプリメントなどを使用しますが、基本的には症状・進行を抑える治療になります。
※成長期でグレードⅠ~Ⅱであればリハビリで改善する可能性もあります。
しっかりと治療するには外科手術が必要となりますが、グレードに応じて手術の方法・難易度も変わってきます。
また、術後の管理(安静など)がとても重要であり、管理を怠れば、再脱臼・再手術の可能性もあります。
膝蓋骨内方脱臼は命に関わる病気ではありません。しかし、将来的に関節炎・前十字靭帯断裂などを併発し、歩行困難になる可能性もありますので、定期的にチェックし、症状の有無・グレードの進行などを判断して、治療の方針を考えていきます。
femoral head necrolysis
大腿骨頭壊死症とは、大腿骨頭へ流れている血流がわるくなり骨頭が壊死してしまう病気です。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ヨークシャー・テリアなどのテリア種やトイ・プードルに多くみられます。 (おもに生後3~13か月齢までの小型犬で発症します。)
・先天性:出生時からの膝関節周囲の骨・筋肉に形成不全があり、加齢とともに進行
・後天性:滑ったり、ジャンプしたりした際の膝関節への負担による外傷性や、栄養障害による骨の変形好発犬種:ヨーキー、ポメラニアン、トイ・プードル、チワワ、パピヨン、柴犬など
・歩くときに片側の後ろ脚をうまくつけない。
・突然発症することもありますが、1~2か月の間に悪化する傾向があります。
・股関節の周辺を触ると嫌がります。
・強い痛みを伴うときもあります。
問診、触診、X線検査など。
※検査によっては鎮静や麻酔が必要になることがあります
・軽度の症状であれば安静にし、痛み止めを飲ませるなどをして経過を見ることもあります。
・跛行がひどくX線で骨の変形が進んでいる場合は、壊死した大腿骨頭を切除してしまう、もしくは人工関節を設置するような外科手術があります。
治療前
治療後
・投薬などで経過を見ている際は歩き方をよく観察して、悪化などに注意しましょう。
・外科手術後は、適切なリハビリテーションなど運動が必要になります。
・獣医師の指導のもと適度な運動を行い、筋力をつけるようにしましょう。
・鎮痛薬は指示に従いきちんと飲ませましょう。